志賀煎餅は、大正15年(1925年)に和菓子店として創業しました。その後 昭和20年(1945年)に志賀さとが南部せんべい専門店に転向して以来、代々南部せんべいひとすじ、昔ながらのおいしさを皆さまにお届けしています。南部せんべい専門店に転向した当時(昭和20年代前半)に使っていたレンガ造りの「二枚型焼成機」は、志賀煎餅の歴史と思いを語る貴重な資料として、今でも大切に保管しています。
南部せんべいは、古くから岩手県や青森県を中心とする南部地方で親しまれてきた家庭の味。そのままいただくのはもちろん、湯をさしてお茶代わりに、農作業の合間にはお赤飯やおかずを取り分けるお皿代わりに、大勢が集まる寄り合いでは野菜とともに煮込んで鍋料理にと、さまざまな形で食され、人々の生活に寄り添ってきた食品です。
小麦や胡麻、胡桃など、大地の恵みをいただく南部せんべい。わたしたち志賀煎餅は、主原料となる小麦に岩手県産の「南部小麦」のみを使用しています。味も良く、岩手県の奨励品種である「南部小麦」。岩手県の水沢市や花巻市など限られた地域でしかとれず、焦げやすいため焼きにも技術を要しますが、かめばかむほど甘みが感じられる、南部せんべいに最も合う小麦です。
志賀煎餅の「南部小麦」は、岩手県紫波郡紫波町の「東日本産業」様から、週2~3回配達されます。わたしたちの南部せんべいのおいしさを決める、最も大切な素材です。
小麦の次に大切なのが、お塩。小麦の甘さを引き出してくれる、南部せんべいにはなくてはならない素材です。志賀煎餅では、四国の天然海水塩「讃岐塩」を使用。カルシウムやカリウム、マグネシウムなどミネラルを豊富に含み、ほのかな甘みとまろやかな旨みを感じられるのが特徴です。
昔からさまざまな食べ方で親しまれてきた南部せんべい。各家庭でおやつの時間に、バターや水あめを塗って食べるのもおなじみの光景です。そんな懐かしい南部のおやつとして志賀煎餅で人気なのが、「南部あめせんべい」。サクサクと香ばしくほんのり塩味の南部せんべいと、とろりとコクのあるやさしい甘さの麦芽あめの組み合わせで、今、広い地域のお客さまから愛されている商品です。
香ばしい「南部小麦」と天然塩でつくったサクサクの南部せんべいに、じんわりと自然な甘さの麦芽あめ。志賀煎餅では、あめも天然の麦芽でつくった麦芽あめ100%にこだわっています。
素朴ながらも心地よい味と食感のコントラストに、新鮮な驚きを感じていただけるはずです。ひと口食べればクセになる、新しいおいしさの「南部あめせんべい」。暑い季節はあめが溶けてしまうため、10月から4月の寒い時期のみ、期間限定の販売です。逃さずにお召し上がりください。
わたしたち志賀煎餅のある二戸市は、日本の都道府県として北海道に次いで2番目に広い岩手県の、内陸部北端に位置する市。馬淵川(まべちがわ)や折爪岳(おりつめだけ)など豊かな自然に恵まれた土地です。
奈良時代には、聖武天皇の勅命を受けた僧 行基がこの地に八葉山天台寺を開山したと伝えられています。江戸時代には南部氏の所領だったことから「南部地方」に含まれ、独特の食文化などが育まれました。
二戸の名前は、平安時代 この周辺の地域に敷かれていた「四門九戸(しもんくのへ)」の制に由来するといわれています。「四門九戸の制」とは、この地域を東西南北の四つの「門」と、一から九までの「戸」に分けるもので、「戸」とは「牧場」の意であるともいわれています。四戸を除き、一戸から九戸は現在でも地名として現存しています。